引き際の美学、継続の美学

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18日、スキージャンプ男子団体で16年ぶりのメダルを獲得しました。カーリング最終戦のあとにじっくりみるつもりが、いつの間にかうたた寝。ジャンプの選手が多すぎて、間のびしたんですよねぇ。寝たこっちがいかんのですが、もっとシャキッとするような放送をして欲しかった。

さて今回のソチ五輪をみてて、特に思ったのが今回記事にしてること。スポーツ選手の引き際ってとても決断がし勇気もいるんでしょうが、その美学について書いてみます。

レジェンド葛西が現役続行を表明!

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スキージャンプの葛西紀明選手が、4年後のオリンピック・ピョンチャン五輪を目指すことを表明をしました。ほんとかよ!と思いましたが、本人の顔からみると、どうやら本気。4年後だと45歳になってるわけだが、体力が落ちていくのは確実だし、今回の銀メダル以上の結果が出る保証もない。

7大会連続で出場して、今回個人でも団体でも悲願のメダルを手にした。「レジェンド」と称号までついて、まさに名誉も地位も得てる。それでもなお、次の大会を目指すというだから、もう驚きでしかないね。

サッカーの三浦知良選手や、プロ野球・中日の山本昌投手など、40歳を超えてまだなお現役を続行してる選手たちがいる。みな、もうすでに名声を得てる。だけど、そこから先に得るものは、たぶん本人にしかわからない。メダルとか優勝とか、それとは違う別次元の世界があるんでしょうな。

もう凡人にはわからない世界で、おっさんたちの希望の星であってほしい。

荒川静香さんが選手として絶頂期で引退したのを思い出した

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2006年トリノ五輪で、女子フィギュア金メダルの荒川静香さんを思い出しました。当時彼女は25歳。会見の席で「今後は自身の演技力の向上やスケート界を広くサポートしていきたい」と語った。

まだできるだろ!と誰もが思ったのだが、そのアマチュア引退には彼女の強いがあったみたい。正直もったいないと思ったのだが、引退後の彼女の色々な活動をみてると、それもうなずける。

葛西選手の現役続行と、荒川選手の引退を比較するつもりは毛頭ない。荒川静香さんをみてると「行き際の美学」をすごく感じるね。

ロシアのプルシェンコが個人を棄権して引退

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男子フィギュアのロシア代表・プルシェンコが個人ショートプログラムの本番直前に棄権をし、そのまま引退表明をしたのが大きな話題になってる。

皇帝プルシェンコのことをわからない人向けに。

→ エフゲニー・プルシェンコ – Wikipedia

2006年トリノオリンピック金メダリスト。2002年ソルトレイクシティオリンピック及び2010年バンクーバーオリンピック銀メダリスト。2014年ソチオリンピック団体戦金メダリスト。世界選手権優勝3回、欧州選手権優勝7回、グランプリファイナル優勝4回。

と、輝かしい記録を打ち立ててる。

今回ソチ五輪、ロシアのフィギュア男子代表の枠は一人しかなかった。その枠をめぐり、下記のようなことになった。

→ 【ソチ五輪】フィギュア男子1枠のロシア、代表選考めぐり異例の“滑走会” – MSN産経ニュース

そして団体の男子ショートとフリーにプルシェンコが出場し、見事に金メダルに輝いた。しかし個人では棄権になったわけだ。

その後、ロシアではこの棄権&引退が波紋をよんでるみたい。

→ プルシェンコ直前棄権にロシアで賛否両論 – フィギュア – ソチ五輪2014 : nikkansports.com

今度はプルシェンコが連盟を批判してる。

→ プルシェンコがフィギュア連盟を批判 | ロシアNOW

そして先ほど(19日)にはこんな話題も。

→ プルシェンコ、引退撤回? インタビューで「競技続けたい」 – 47NEWS(よんななニュース)

もうグチャグチャだ!何がなんやら、わけわからん。

プルシェンコの今回の件、「引き際の美学」なのか「継続の美学」なのか、どっちなんだろうと考えた。

「引き際」というのであれば、連盟がなんと言おうと代表を辞退すべきだし、後輩に後進を譲るべきだったと思う。団体も2位のカナダに10点もの差をつけた。結果論だけどプルシェンコじゃなくても、金だった可能性もある。今まで輝かしい成績を残してきて、今回の一連の騒動でなにかその栄光も少し曇ったような印象がある。

「継続」ともし言うならば、どんな体調だろうがあの個人では演技を見せて欲しかった。日本からみれば、ライバルが一人減るので喜ぶべきだったかもしれないけど、あれがもし代表枠1人で日本がそうだったとしたら、どうだっただろうか。おそらく大炎上してたはず。

プルシェンコが震災のときに送ったメッセージとか、羽生くんへの言葉とか全部知っています。だからこそ、キレイな形になって欲しいと思うし、これまでの栄光のままでいて欲しいと思う。

今回のオリンピックで、引き際の難しさを特に痛感しましたね。そして、これってスポーツの世界だけの話じゃないなと。