話題沸騰の新サービス「note」は個人マネタイズの救世主となるのか!?

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2014年4月7日に個人でデジタルコンテンツを販売することができる新サービス「note(ノート)」がリリースされました。

→ note ――つくる、つながる、とどける。

それから2週間が経過しますが、Web界隈ではこの話題で持ちきり。リリースされた日に色々とみておりましたが、第一感は「これは流行らない」でした。この2週間静観しておりましたが、このブームに僕ものっとかないとまずいと思い、深夜にツイキャスでこの件についてトークいたしました。そこで勉強したことを記事にしてます。このブームは本物なのか?Web上でマネタイズできるサービスとして救世主になるのか?

「note」ってなんだ?

他のサイトで「note」に関して山ほど記事があがっているので、ここは簡単に。

ログインはTwitter・Facebook・cakesアカウント(noteを運営してる会社が別に運営しているサイト)もしくはメールアドレスで登録ができます。

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投稿のスタイルは「トーク」「イメージ」「テキスト」「サウンド」「ムービー」から選ぶことができます。「サウンド」はmp3形式の音楽ファイルをアップロードするタイプ、「ムービー」はYouTubeかVimeoのURLを入力するタイプ。

フォロー・フォロワーの関係もあって、投稿にはコメントを残すこともできます。またTwitterとFacebookへのシェアボタンもついている。

そして「note」の最大に魅力である「課金システム」は次で書いていきます。

タレントの伊集院光さんがnoteをされていて、すでに5000人を越えるフォロワーを獲得している。

→ 伊集院光 (hikaruijuin) | note

2週間でこれだけの人が集まっているわけで、プチブームがやってきているという証拠でしょうな。

「note」が話題になっている理由

販売価格は100円から。投げ銭のようなシステム。

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話題になっているのは、これが理由だと思われます。課金に関しては「よくある質問」に詳しく書いてあります。

→ よくある質問 | note

コンテンツの料金は、100円〜10,000円の範囲内で投稿者が自由に設定することができます。支払方法は、クレジットカードがご利用いただけます。 ※携帯キャリア課金、Apple課金等は今後対応予定です。

投稿する際に課金なしか課金ありかを選択できて、金額設定は1万円以下みたい。

普通のこの手のサービスだと、コンテンツを見る際に「最初から課金」するタイプか、新聞のサイトでよくみる「途中から課金」するタイプがある。しかしnoteでは、最後まで無料で読んで、最後に課金をするいわゆる「投げ銭」的なこともできる。

最初から課金をするタイプだと、投稿する側の敷居がかなり高くなる。いいものを出さないと、課金する側としては納得いかない。その点この「投げ銭」の形だと、コンテンツに課金するというというより、投稿者を応援する的な要素が強くなります。それだと軽い気持ちでやってみようかという気になりますね。

手数料は10%という安さ

そして投稿者の側から気になるのが、手数料のパーセンテージ。それについては「ご利用規約」や、先ほどの「よくある質問」に記載してありました。

→ ご利用規約 | note

noteは、売上金額から決済手数料を引いた額の10%を、プラットフォーム利用料として申し受けます。 決済手数料は、売上金額の5%です。

決済は現在のところ、Visa・JCBなど5社のカード決済のみ。当然カード会社への手数料がかかるので、その決済手数料が5%。その手数料を引いた金額から10%がnote運営にいくようです。

iTunesに音楽を販売する場合、自分で手続きするか仲介会社を通すかによってその手数料はかわるけれど、少なくても30%近くはかかる。この手のサービスで、この10%は破格といっていいかもしれない。

ショッピングサイトでも楽天に出店したいけどできない出店者は数多い。そのネックになるのが、月々の出店料。この10%という手数料は、個人で販売したい人には魅力に感じるはず。

シンプルなデザイン

最近はフラットデザインに作るのが当たり前になってる。noteもシンプルすぎるぐらいの作り。

ただ今後は色んな機能をつけてくるはずなので、当然ボタンが増えてくる。どこまでシンプルにこだわれるかは鍵かもしれない。

今後の課題点を勝手に書いてみる

まず結論から書くとすると、流行する可能性は30%ぐらいだと思う。現段階では流行る予感があまりしない。最近のWebサービスは最初が肝心で、ここ半年ぐらいでどこまでユーザーが使っていくかだろうかと思われる。

ただ個人でマネタイズするサービスとしての可能性が魅力は十分に感じるので、個人的にはぜひは流行って欲しいと思うが。

類似のサービスはうまくいってない

似ているサービスとして「Gumroad」と比較する人も多い。

→ Gumroad

2012年2月にサービス開始し日本語にも対応されたが、最初のうちだけでその後は鳴かず飛ばずの状態。去年の最初には有料メルマガが話題になったが、最近はやめていっている人も多いと聞く。ニコ動がはじめたブロマガもそんなにうまくいってるようには思えない。

ただnoteはこれらとは違う雰囲気はもっている。それがうまく嵌ればおもしろいかも。

拡散は従来のソーシャル頼み?

noteにもフォロー・フォロワーの仕組みはある。ただ現状をみていると、noteで投稿したものをTwitterやFacebookに流して拡散する方法が主流。新設のサービスだからそれはしょうがないにしても、そこをアテにしてるようでは発展はない。

投稿の埋め込みコードを発行して、ブログの埋め込みからnoteに飛んでいく流れを主流にしてはどうだろうか。まだスマホアプリはリリースしていないようなので、そこは大きな鍵かも。

カード決済の敷居の高さ

現在のところカード決済しかできない。先ほども書いたが「携帯キャリア課金、Apple課金等は今後対応予定です。」らしいので、決済方法は増えていくだろう。でも決済方法の多様化は急いだ方がいい。折角追加したころに、ブームが去っている可能性があるので。

カード決済も最近はプリベートカードが登場してきて、前ほど敷居は高くなくなった。だけど、日本では依然としてカード決済を敬遠する人が多い。でも逆にいえば、カード決済が主流にならなければ、Webマネタイズなんて永遠に不可能なわけでして。

有名人の参戦が必要不可欠か

伊集院光さんがフォロー5000人集めてると書いたが、やはり有名人が参戦するのはメジャー化するにはてっとり早い。しかしGoogle+のAKB48コラボのようなケースではない方がいい。Google+の場合はあれがマイナスになったと思ってる。

モデルさんがセクシー写真を課金でみせるか、有名な絵描きさんが似顔絵を書いていくか、伊集院光さんのように課金ラジオを聴かせるか。でも鍵は「良質なコンテンツ」かどうか。課金するにしないものが増えれば、やっぱお客は逃げていくよね。

「note」についてしゃべったアーカイブ


4月22日の深夜にこの件をツイキャスで配信した。@Kohrogi34 くんと1時間グダグダと話しておりますので、超お暇な方はぜひどうぞ。