Vineを進化させて、Twitterがメッセージングアプリ戦争の代理に使う戦略?

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4月29日に6秒動画共有サービス「Vine」のアップデートがきました。前回の4月4日アップデートから、特定の人とのメッセージがやりとりできる「Vineメッセージ」を公開させています。今回はマイナーアップデートのよう。

→ Introducing Vine Messages

「Vineメッセージ」が公開されたときに記事にしなかったので、その機能面はいまさらだし、検索で探したら色んな記事が出てきます(笑)そのときは「この機能がいらないね」と思っていたのですが、今回触ってみて少し思ったことがあるので、記事にしてみます。

完全にメッセージングアプリじゃん!

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Vineメッセージは、通常の6秒動画だけじゃなくても、テキストだけのメッセージを送ることができる。それは特定の一人だけではなく、複数の人を選択して「グループメッセージ」のように使うことも可。また誰かの投稿をこのメッセージ欄にシェアして、二人だけでコメントしあうこともできる。

そして今回使ってみて驚いたのが、上の画像の左下に相手がコメントを打ってることがわかるようになってる。また新着のメッセージがやってきたときは、「ポニョ」という通知音もやってくる。そして、自分が選んだプロフィールの色が、メッセージの文字色にも反映してるっぽい。

これって完全に「メッセージングアプリ」ですよね。

2014年はメッセージングアプリ戦国時代

メッセージアプリの代表格といえば「Whatsapp」だろう。2月にFacebookが190億ドルという、とんでもない金額で買収するのが大きな話題になってる。そのおかげでユーザー数が激増らしい。

→ ASCII.jp:Facebook 効果で WhatsApp のユーザー数が大躍進

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ユーザー数がうなぎ上りに増えて、現在は5億人を突破したともいわれてる。そして中国産の「WeChat」も6億人、2月に楽天が買収した「Viber」も3億人を超えてるらしい。日本ではもちろん「LINE」。海外進出はあまりうまくいってないようだが、日本ではもう不動の地位についてる。

一度見たら消えてしまう「Snapchat」も、当初Facebookが買収を失敗して、その代わりにWeChatにいったらしい経緯がある。この消滅系アプリもまだ伸びしろがあるってことだろう。これに「Skype」や「KakaoTalk」などの通話系も加えると、メッセージングアプリの戦国時代といっていい。

FacebookやTwitterのSNS戦争は一段落して、ユーザー数も伸び悩みになってる。Facebookはメッセージをやりとりするアプリ「Messenger」を本体と切り離すと言っている。

さてTwitetrはどうするのだろう。Twitter本体のDMを超リアルタイム性のあるメッセージ機能にするのは難しいはず。現在はDMに画像の添付はできるようになってけど、それ以上の進化はTwitterの性質上難しい。だって表のツイートで最初に「d」を打てばメッセージが打てるんだもんね。

そこで今回のVineの仕様はメッセージングアプリとして使おうとしてるんじゃないと推測する。

Instagramとの比較

2013年の1月にリリースしたVineと、6月にビデオ機能を追加したInstagram。とかく比較をされる両者だけど、僕は最初から別のものだと思ってた。そして両者ともに争ってる感じじゃなくて、それぞれがユーザーを獲得している。

Instagramも特定の人に写真や動画が送れる「ダイレクト」機能を追加してる。これとVineメッセージは種類が少し違う。Instagramの方にはチャットのような感覚はない。それにInstagramを買収したFacebookがインスタをメッセージングアプリとして使うはずがない。

Instagramは写真と動画の王道の路線に、VineはTwitterのような拡散性とメッセジングアプリに。これでVineとInstagramのベクトルの違いがはっきりしてきた。

Vine、いやTwitterがこれからVineをどう進化させて、この戦国時代に挑むのか注目です。