将棋名人戦が真っ最中で、カド番に立った森内名人が意地を見せるか注目の第4局が行われています。そして王位戦も挑戦者決定まで大詰めを迎えております。
先日、5月16日に第55期王位戦挑戦者決定戦紅組リーグのプレーオフが行われ、千田翔太四段が勝利しました。白組優勝の木村一基八段と5月26日に挑戦者決定戦が行われます。
→ [ロックショウギ] 第55期王位戦挑戦者決定戦リーグプレーオフ ▲広瀬章人八段 – △千田翔太四段
その王位戦の中継blogで大変興味深い投稿がありましたので、記事にしてみます。
東の羽生、西の村山
1998年にA級に在位したまま逝去された故・村山聖九段。羽生善治三冠・森内俊之竜王名人・佐藤康光九段などいわゆる「羽生世代」の一人で、「東の羽生、西の村山」と呼ばれるほどの逸材。その半生をまとめた「聖の青春」はベストセラーになるほど大きな話題になりました。
映画やテレビでも取り上げられてますが、1999年1月29日放送『驚きももの木20世紀』のYouTubeにあがってましたので、そちらをどうぞ。
(5本に分割されているので、残りはサイドの関連動画からどうぞ。)
故村山九段の弟弟子
今回、第55期王位戦挑戦者決定戦に進む千田翔太四段は、関西の森信雄七段門下。つまり故村山聖九段の弟弟子に当たる。千田四段は1994年生まれ、その4年後には村山九段は亡くなっているので、当然知らない。
そして故村山九段の最後の公式対局は、この王位戦の挑戦者決定戦リーグだったらしいのです。
その最後の対局相手が当時四段だった木村一基八段。その木村八段と千田四段が、5月16日の第55期王位戦挑戦者決定戦で激突するという、まさに運命ですな。
1998年3月、故村山九段の絶局
→ 第39期王位戦挑戦者決定リーグ白組 ▲木村一基四段 – △村山聖八段(1998/03/30)
先ほどの王位戦中継Blogに1998年3月30日に行われた村山ー木村戦の棋譜がのっておりました。この対局を最後に1年間休戦し療養に専念することを発表、その4ヵ月後の1998年8月8日に29歳の若さで亡くなりました。
この対局のときにはすでに体調が悪かったはずですが、「怪童丸」と呼ばれていた気迫の攻めが棋譜からも感じられます。もし今も生きていたら、きっと名人戦で羽生世代と戦ったいたはず。
そう思うと、今回の第55期王位戦に何か運命じみたものを感じてしまいます。
故・村山聖九段の関連書籍