ブラジルのVISAカードCM、ITAロッシとFRAジダンが出演という爆弾ストーリー

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▲元フランス代表MFジネディーヌ・ジダン

サッカー・ブラジルW杯まで残り数カ月となりました。そのブラジルであるCMが話題になってます。

元イタリア代表パオロ・ロッシと元フランス代表ジネディーヌ・ジダンが出演しているVISAカードのCM。この二人がブラジルのCMに出演することは、まさに爆弾を落とすようなもの。なぜこの二人がブラジルの人たちに憎き存在になっているのか、まとめてみます。

サスペンス風に作ってあるCM

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▲ブラジル敗戦でテレビを壊すほど怒っているブラジルの人たち

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▲元イタリア代表FWパオロ・ロッシ

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▲床屋さんには凶器がある。まさか。。。

CMの舞台はブラジルの床屋。客で店にいるのがロッシだ。支払い時にVISAカードを出したとき、店主はカードの名前が「パオロ・ロッシ」であることに気づく。蘇る少年時代、1982年の悪夢の記憶。パオロの”活躍”で負けたブラジル、嘆く父...。

現実に戻った店主は、パオロを睨む。店主の手には、まだ髭剃り用のカミソリが...。と、サスペンスタッチになったかと思いきや、店主は笑顔で「また来いよ、パウリーニョ」とパウロを笑顔で送り出し、そこに「ブラジルで開催されるワールドカップはVISA同様、どなたでも大歓迎です」というナレーションが入る、というもの。

で、ドアが開いて入ってきた次の客が、今度はジダン...店主が心の中で「何て日だ!」...というのがオチ。
(マイナビニュース)

ブラジル人はこの二人をどうして憎いのか?!

1982年スペインW杯、ハットトリックを決められたロッシ

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▲1982年7月5日スペインW杯、ブラジル対イタリア戦でのパオロ・ロッシ(右)とジュニオール(左)

ジーコ、ソクラテス、ファルカンなどを擁したブラジル代表、「史上最強」とまでいわれていたが、2次リーグでイタリアに1-3で敗戦。その3点すべてを決めたのがパオロ・ロッシ。

なお、「史上最強」と言われたセレソンが敗れたことにブラジル全土は非常に大きなショックを受けており、いまだに「パオロ・ロッシ」の名はブラジルでは禁句である。(Wikipedia)

→ 1982 FIFAワールドカップ – Wikipedia

1998年、2006年と二度も負けているジダン

1998年フランスW杯決勝

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▲1998年フランスW杯決勝、ジダンが2得点をあげて優勝。

1998年フランスW杯決勝では、ブラジルとフランスが激突!ジダンが2得点をあげる活躍をみせて、ブラジルに3-0の完封勝利、見事開催国優勝となった。

→ 1998 FIFAワールドカップ – Wikipedia

2006年ドイツW杯準々決勝

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▲2006年ドイツW杯準々決勝、フランスがジダンのアシストで1-0勝利。

事実上の決勝戦と言われた2006年ドイツW杯準々決勝。ジダンのフリーキックからアンリが得点、1-0で勝利。ちなみに決勝はイタリアに0-1で敗れる。(ジダン頭突き事件が話題に。)

→ 2006 FIFAワールドカップ – Wikipedia

インパクトありすぎのコマーシャル

日本人からすると「どうしてそこまで憎いの?」と思ってしまう。それだけブラジル人にとってサッカーは特別な存在なんですね。

「死刑執行人」とまでいわれるロッシとジダンの二人を起用したこのCM、それだけ意味が大きいことがわかります。現地ブラジルでも大変な話題になっているようですね。

「ブラジル人はもてなし上手です。(ワールドカップを見るために)世界中からブラジルに来るどなたをも、親切に迎えるでしょう。もちろん、ジダンもロッシもね(笑)。私たちのカードを利用される方も同様に、安全で、どこでも歓迎されると思いますよ」とは、VISAラテンアメリカとカリブ地域マーケティング担当で副社長でもあるアドリアン・ファリーナ氏。
(マイナビニュース)

ワールドカップを控えるブラジルの人に対しては「おもてなし」の心を伝え、これを観た他国の人にはブラジル人のよい印象を与える、二つの要素があるように思います。動画によるイメージ戦略、奥が深いなぁと実感いたしました。

ロッシとジダンが出演してるVISAカードのCM

→ ZidaNe and P.Rossi official Ad for World Cup 2014 by VISA. Everyone is welcome in BraziL – YouTube

参考記事

→ VISAカードCMに”死刑執行人”ロッシとジダンが出演 | マイナビニュース