「文の里商店街ポスター総選挙」から苦戦する商店街のイベントを考えてみる

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大阪の阿倍野区にある「文の里商店街」と大阪商工会議所・電通が絡んだ「文の里商店街ポスター総選挙」という企画が話題になっています。

→ 文の里商店街ポスター総選挙

商店街の店主や自らポスターモデルをやったり、強烈なキャッチコピーが目につく200枚を超えるポスター、本当にすごすぎるの一言。

大阪といえども、昔ながらの商店街は苦戦を強いられていると思われます。全国にはそんな商店街はあちこちに存在してる。その商店街を助けようとする補助金事業もゴロゴロありますが、今回のこのポスター総選挙を参考に、その補助金の使い道について考えてみました。

文の里商店街を地図でチェック

文の里商店街ポスター総選挙CM

「文の里商店街ポスター」企画趣旨

この企画の詳細はFacebookページに掲載してあったので、そのまま引用しておきます。

→ 商店街ポスター展|Facebookページ

大阪商工会議所と文の里商店街は、電通関西支社のご協力のもと、「文の里商店街ポスター展」を実施しています。激動の阿倍野区の中でガンバっている商店街を盛り上げようと総勢60名の電通社員が商店街52店舗のPRポスターを作成、その総数は、なんと200枚超!そのユニークなデザイン&コピーに惹かれ商店街を訪れる人も多数!

そんなポスター展をさらに盛り上げようと、只今、このサイトでは、「文の里商店街ポスター展・ネット総選挙」を実施しています!(12月31日まで)各店をクリックするとそれぞれのポスターを紹介するfacebookのページが表示されますので気に入ったポスターが掲載されている店のfacebookページすべてに「いいね!」を押してください!来年、ここでの「いいね」が多かったポスターを発表・表彰します。あなたの「いいね」が文の里商店街ポスター展を盛り上げます!どしどし、「いいね」をして下さい。

そして、ネットだけでなく、実際に文の里商店街へお越し下さい。ネットで見るのとはひと味もふた味も違ったポスターの魅力を実感していただくことが出来るハズです。現地でポスターを見て、そして是非とも買い物をして商店街を楽しんで下さいね!(商店街ではネットとは別に「投票用紙」による「文の里商店街ポスター展・総選挙」を実施しています。(12月31日まで) 投票していただいた方先着1500名には「文の里商店街ポスター全集」を贈呈しますので、急いで文の里商店街へGO!)

気になるポスターをセレクト

200枚を超えるポスターは特設サイトかFacebookページの方ですべて閲覧できます。またtogetterにもまとめが出来ておりました。

→ 文の里商店街の凄いポスター – Togetterまとめ

その中で気になったポスターをいくつかセレクトします。

「ポスター?はよ作ってや。死ぬで。」「お漬かれさまでした。」ってどんだけすごいキャッチ!

鶏肉を扱うお店のポスター。これが嫌いな男子はいません!

体操教室のポスター。このお母さん、よくモデル引き受けたね。

洋服のお店のポスター。ストレートすぎるキャッチにググっとくる(笑)

特設サイトと商店街のサイト

一番冒頭に特設サイトの画像をのせましたが、このサイトは大阪商工会議所のサイト内に設置してありました。しかし電通が関わってて、このサイトなのがかなりインパクトありますが。(わざとこのクオリティで作った可能性もあり。)

そして文の里商店街のサイトはいうと。

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→ 文の里商店街TOP

こちらもかなりビルダーチックな感じになっております。しかもこのイベントの特設サイトへのリンクも貼ってないという。

全国で苦戦をしている商店街のイベント

この手の企画は大体補助金頼み

申し訳ないが、この商店街が電通にお願いできるほどの資金を持っているとは考えづらい。何かの補助金を商工会議所が引っ張ってきて、それを電通にお願いしたんだと思われる。もしくは、電通側から商工会議所に話を持ちかけた可能性もある。

200枚を超える作品をすべて見ると、確かによく作ってあるね。総勢60人の電通社員が作ったと書いてあるが、正規だったらどれだけの予算がかかるだろ。孫請けのフリーランスがやらされたと勘ぐってしまう。しかし今回の企画、ネット上ではちょっと話題になってる。それはポスターの出来にインパクトがあったから。そのバズリ効果と今回の予算との費用対効果はいかほどかはわかんないけどね。

Webサイトとソーシャルメディアの活用

上記でも書いたが、特設サイトと商店街サイトの連携はバラバラだし、作りも完璧だとは言いづらい。Facebookページは900人近い「いいね!」がついてるけど、それ以外のソーシャルなんかを活用してる空気はない。商店街サイトのアクセス数も爆発的に増えてる形跡がなく、アクセス人数が二桁程度と低迷してる。

ポスターを作ることが目的だったのかもしれないけど、それにしては勿体ない。商店街の店主たちをみると、とてもソーシャルをやっている層にも思えないので、企画側がソーシャルの面倒までみないといけないけど、そこは予算外ということだろうか。

商店街のこの手の企画でロクにうまくいってる例はあまり…

と、今まで書いたけれど、商店街のこの手の補助金事業で、ネットで話題になっただけでも素晴しい。ほとんどが「一体何のためにやったの?」的な予算消化型の企画が多い。

電通さんだからここまで出来たかもしれない。でももう一捻りすれば、もっと効果があがる企画は考えられそうな気もする。最後は、商店街の店主の熱意と、企画運営側のボランティア的な知恵が必要かなと。

今回の件を参考に、ドブのように捨てている補助金事業をもう少し有効に使ってみませんか?