FIFAワールドカップの日本の予選敗退が決まり、ネット界隈では色々なことが言われてます。まずは代表監督でしょうが、ベストな人選をして、4年後に向けて一から出直して欲しいところですね。
さて、ワールドカップのテレビの視聴率は芳しくない様。4大会連続で出場し、回を増すごとにマスコミも盛り上げてきたにも関わらず、伸びてない。テレビ離れ・ワンセグ視聴・録画視聴・放送時間などなど、色々な問題があると思う。しかしテレビ視聴率低下は、ワールドカップへの関心度の低下となっているのだろうか。
ワールドカップにおけるテレビ視聴と、ソーシャルメディアを中心としたネットでも盛り上がりを考えてみた。
日本戦のテレビ視聴率は低下傾向
初戦のコートジボワール戦は46.6%を記録したけれど、午前7時キックオフだったギリシャ戦は33.6%、午前5時キックオフのコロンビア戦は37.4%と低迷した。
→ 東京新聞:W杯 振るわぬ視聴率 日本惨敗、早朝試合響く:社会(TOKYO Web)
初出場のフランス大会や、日本でも開催された日韓大会などとは比較できない。前回大会の2010年南アフリカ大会・デンマーク戦が日本時間の3時30分で行われ40.9%だったので、今回はやはり低下してるといわざる追えない。
三試合とも早朝から午前の中継で、中でも試合開始が平日午前七時だったギリシャ戦は通勤時間帯と重なったことが大きく響いた。視聴率にカウントされない携帯電話のワンセグで、通勤途中に視聴した人も多かったとみられる。
今回のギリシャ戦などは特にワンセグ視聴が多かっただろう。そしてTwitterでもよくみかけたのが録画の人が多いこと。ワンセグ視聴も録画視聴も視聴率には含まれない、今の算出方法に問題があるのはいつも言われてること。これらを入れたら、今までの大会と遜色ない数字が出る気がする。
Twitterでは過去最高のツイート数を記録
日本戦におけるツイート数がみると、予選3戦目のコロンビア戦が444万ツイートで最多。
→ Twitter、日本対コロンビア戦は444万ツイート – コートジ戦超えたが…… | マイナビニュース
初戦のコートジボアール戦が396万ツイート、2戦目のギリシャ戦が271万ツイートと総じて多くのツイートがあったことがわかる。
さて前回大会、2010年南アフリカ大会でのツイート数と比較してみたいと思い、調べてみると、予選3戦目デンマーク戦が一番ツイートが多かったらしい。
→ 日本でのTwitter利用者が急増 利用率と瞬間ツイート数で世界一を記録 – ホコホコNews
今回、最も多かったコロンビア戦と時間なども似ているので比較してみる。
2010年南アフリカ大会 デンマーク戦 |
2014年ブラジル大会 コロンビア戦 |
|
放送時間 | 2010年6月25日(金) 3:30〜 |
2014年6月20日(金) 5:00〜 |
テレビ局 | 日本テレビ | テレビ朝日 |
視聴率 | 40.9% | 37.4% |
最大ツイート数 | 全世界で3283ツイート(1秒) ※全世界の全ツイート |
全世界で91110ツイート(1分) ※日本ーコロンビア戦に関するツイート |
曜日も同じで、放送時間もほぼ同じ早朝。テレビ局の違いはあるけれど、テレビの視聴率は3ポイント落ちてる。
さてツイート数ですが、2014年の最も多かった1分間は、本田選手からのクロスから岡崎選手が決めた瞬間。1分間で91110ツイートだったらしい。単純に1秒間にすると、1516ツイートになる。ただしこの数字は、日本ーコロンビア戦に関するツイートだけのよう。
2010年のデンマーク戦では、当時世界最多のツイート数を記録した1秒間3283ツイート。しかしこれは全世界での全ツイート数(サッカー関係ないものも含む)ので、単純に日本ーデンマーク戦でどれくらいかは不明です。ただ今回の1500ツイートには程遠いだろうと予想はできます。
Twitterではワールドカップ関連のツイートがロンドン五輪の倍になり、3億ツイートを突破したらしい。
→ 「W杯」関連ツイート数3億超え、ロンドン五輪の倍 最も話題の選手は – ITmedia ニュース
ということは、2010年と2014年を比較すると、テレビの視聴率は低下したが、Twitterでは盛り上がっているという仮説が成立する。
Vineのゴールシーンや、ニコ生やツイキャスでW杯応援など
今回特に印象的なのは、Vine動画が一気に普及したこと。ゴールが決まると、ゴールシーンの6秒動画をTwitteでみることができる。
テレビ画面を撮影してアップすることが、著作権的に良いか悪いかというと、おそらくアウト。ただサッカー関連のオフィシャル的なアカウントでさえもアップロードしているのを見かける。FIFAもそれを取り締まれるのは、もう不可能だろうね。逆にその動画が拡散されるほど、盛り上げに一躍買ってると思うが。
日本戦のときに、ニコニコ生放送では応援をする番組が数多く見られた。(試合の画面を写すとBANされるので、生主の声とコメントだけの配信ですが。)ツイキャスでは、配信する際にカテゴリーを設定する「配信カテゴリー」に「ワールドカップ」が設置されるほど。
ニコ生やツイキャスでサッカー応援をするってことは、熱狂的なサッカーファンだけが集まるんじゃなくて、その配信主のファンも集まってくる。「サッカーには興味ないけど、この人が面白いから観る」という女子高生だっているはず。ユーザーが勝手に盛り上げてくれるのも、ネットで盛り上げる要素の大きな一つだと思う。
4年後のロシア大会はどうなってる?
まずテレビのサッカー中継は、従来の視聴率計算だと、衰退の一途は確実。なぜ視聴率が伸びないのかに関して、様々な記事が上がっているので、そちらもご参照を。
→ サッカーW杯 低視聴率の特番をオンエアせざるを得ない理由 – ガジェット通信
→ W杯の高視聴率は、アイドルのおかげ? | 日本人が知らないテレビ学 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
アイドルを起用するのも、もはや時代遅れといった感じ。ニュース番組からバラエティー番組、サッカー特番など、何でもかんでもサッカー押しにしているとこも、視聴者が飽き飽きしてるかもしれない。
ネットの方はというと、TwitterもGoogleもFacebookも、ワールドカップの特別仕様にした。2010年よりも確実にその傾向にあるし、それだけの効果が出てるはずなので、2018年はさらに進化しそう。YouTubeも投げ銭的なシステムを導入するらしいので、YouTubeのペイパービューで視聴する時代になっているかもしれない。
テレビが支えてきた世界最大のスポーツの祭典は、ネットへ移行したなと感じるブラジル大会を、もっと楽しもうと思う。