3月15日(土)から始まる将棋プロ棋士vsコンピュータ将棋の五番勝負、第3回将棋電王戦。第1局の菅井竜也五段vs習甦(しゅうそ)のPVが公開されています。
→ 第3回将棋電王戦 第1局 菅井竜也五段 vs 習甦 – ニコニコ動画:GINZA
昨年からニコニコ生放送で将棋のタイトル戦が本格的に配信されていますが、そのプロモーションビデオが毎回素晴らしい出来です。このPVを作っているのは、PRIDEなどのPVを手がけていた映像作家・佐藤大輔とナレーション・立木文彦のゴールデンコンビ。格闘技では当たり前のこの煽りを、盤上の戦いである将棋に置き換えて、それが意外に合っているんですよね。その理由の一つに、使っている曲のセンスある選曲にあると思います。
これまで色々なPVが作られていますが、個人的に最も印象に残ったPVを順番にまとめていきます。
第3回電王戦PV
→ 第3回将棋電王戦記者発表会[対戦カード・対局日程・対局会場]PV – ニコニコ動画:GINZA
第3回電王戦の「対戦カード・対局日程・対局会場」のPVがこちら。後半部分に使われているのが、イギリスのシンガー、Robbie Williams(ロビー・ウィリアムズ)の「Let me entertain you」という曲。煽りにぴったりのハードなナンバーです。
第61期王座戦PV
→ 将棋 第61期王座戦 羽生善治王座vs中村太地 PV – ニコニコ動画:GINZA
2013年秋に行われた第61期王座戦のPV。ニコ生PVの中で最も好きなバージョンです。
将棋を詳しくない人向けに、このPVの解説します。挑戦者となった中村太地六段の師匠は、2012年暮れに亡くなった米長邦雄永世棋聖。中村六段が初のタイトル戦に登場した2012年棋聖戦で羽生棋聖に3-0のストレート負けだったんですね。今回亡き師匠に向けても、1勝をしたいという想いがあったんですが、それをこのPVは見事に表現してくれてます。何度観ても泣けてくる。
使っている楽曲は、アメリカのコーラスグループ、Manhattan Transfer(マンハッタン・トランスファー)の「A Nightingale Sang in Berkeley Square」。直訳すれば「バークリー広場で鳴くナイチンゲールの歌声」だろうか。1940年代から歌われている曲で、コーラスグループやジャズミュージシャンも数多くカバーしている名曲のようです。
第84期棋聖戦PV
→ 将棋 第84期棋聖戦 羽生善治棋聖vs渡辺明竜王 PV – ニコニコ動画:GINZA
2013年夏に行われた第84期棋聖戦。羽生善治三冠と渡辺明三冠(現在は二冠)の、史上初三冠同士の激突というPV。お互いの考え方の違いを、文字いっぱいに現して、まさに”煽り”の内容となっている。使っている曲は、フランスのテクノ系バンド、Justice(ジャスティス)の2曲。
電王戦リベンジマッチPV
→ 電王戦リベンジマッチPV 船江恒平五段 vs ツツカナ – ニコニコ動画:GINZA
2013年大晦日に行われた電王戦リベンジマッチのPV。第2回で負けた船江恒平五段が、リベンジにかける想いをじっくりと語る構成。使っている曲はイギリスの4人バンド・kyte(カイト)の「Eyes loose their fire」。PVのコンセプトにマッチしたミドルテンポのナンバー。
第26期竜王戦PV
→ 将棋 第26期竜王戦 渡辺明竜王vs森内俊之名人 PV – ニコニコ動画:GINZA
2013年暮れに行われた竜王戦PV。1年間のタイトルは、この二人に羽生三冠を加えた三強が中心だったという総括的な内容。楽曲はご存知のベートーベン交響曲第9番「合唱」。11月12月に行われるタイトル戦なので、年の瀬の空気も入っている。しかし「聖なる七つの戴きに立つ三体の霊獣」って、どれだけの煽りなんだ。将棋のPVではないかっこ良さですな。
第2回電王戦PV
昨年行われた第2回電王戦のPV。それまでもPVは作っていたようですが、音楽・煽りバリバリの内容になったのはこのPVからじゃないかと思う。第1回電王戦で敗れた故米長会長のリベンジを果たす棋士たちをフューチャーした内容です。楽曲は3曲使われていて、イギリスのユニット、Massive Attack(マッシヴ・アタック)の曲。独特の世界観のある曲によって、PVの内容がより引き出されていますね。
参考記事
→ [ロックショウギ] プロ棋戦を応援する将棋キュレーション