年度末のバタバタがまだ尾を引いていて、すっかりブログの更新もおろそかになっております。その年度末の最中に行われていたのが、将棋の第3回電王戦。3月15日から毎週土曜日に5週行われましいたが、用事もあまり入れず、仕事をしながらニコ生と5週連続無事完走しました(笑)
結果的に将棋プロ棋士の負け越しになりましたが、ニコ生の配信も含め大変に盛り上がったように思います。そのレポートと、第4回への期待をまとめてみます。
5週連続開催で約200万人がニコ生視聴
3月15日(土)から毎週土曜日に5週に渡って開催された。対局開始の朝10時から終局直後の記者会見まで、一番長い第5局で14時間も配信された。配信終了直後の視聴者数をまとめてみる。
第3回電王戦 ニコ生視聴者数(放送終了時)
総ビューワー | 総コメント | ||
第1局 | ▲菅井竜也五段 – △習甦 | 29.1万 | 44.5万 |
第2局 | ▲やねうら王 – △佐藤紳哉六段 | 31.7万 | 35.3万 |
第3局 | ▲豊島将之七段 – △YSS | 22.7万 | 34.6万 |
第4局 | ▲ツツカナ – △森下卓九段 | 51.5万 | 45.1万 |
第5局 | ▲屋敷伸之九段 – △ponanza | 70.5万 | 58.3万 |
合計で約200万人が視聴したことになる。(タイムシフト視聴による数字はカウントしてないので、現在はもっと伸びてます。)
プロ棋士が勝利した唯一の第3局が一番少なくなっているけど、これは夕方5時前に終局したためだと思われる。熱戦になるほどビューワーが伸びる傾向にあるのは当たり前かな。
ちなみに第2回電王戦の視聴者数と比較してみると。
第2回電王戦 ニコ生視聴者数(2014/4/18現在)
総ビューワー | 総コメント | ||
第1局 | ▲阿部光瑠四段 – △習甦 | 36.0万 | 43.7万 |
第2局 | ▲ponanza – △佐藤慎一四段 | 54.9万 | 46.5万 |
第3局 | ▲船江恒平五段 – △ツツカナ | 61.3万 | 60.9万 |
第4局 | ▲Puella α – △塚田泰明九段 | 49.7万 | 63.9万 |
第5局 | ▲三浦弘行八段 – △GPS将棋 | 64.3万 | 74.0万 |
こちらはもう1年前の行われたもので、タイムシフト視聴の数字が含まれている。今の時点で第3回と遜色ない数字だとすると、ニコ生では第2回よりも盛り上がったことがわかる。
第1局が終わった直後にこのブログに書いたんだけど。
→ BMBB.JP|[ #shogi ] いよいよ第3回電王戦開幕、習甦が菅井五段を破りコンピュータ先勝
優劣をつける評価関数の画面だったり、観る画面を切り替えるマルチアングルだったり、随所に工夫が見受けられた。また解説者も2名にしたり、多彩のゲストの登場や現地中継などなど、番組を盛り上げようとするドワンゴの努力が感じられる。
しかしあれだけのプロモーションをして、視聴者数がそこまで伸びてない。ライブメディアを観る層の拡大がそこまで進んでないことと、将棋配信の珍しさがなくなったことが影響してるように思える。それはドワンゴも感じてるんじゃないかな。
プロ棋士の1勝4敗と大きく負け越し
第3局の豊島七段だけが勝ち、結果としてはプロ棋士の1勝4敗となり、大きく負け越しとなった。第3局が終わってブログの記事にしたけど、そこでが第4・5局は人間が勝つと予想したんだけど、それも大きく外した。
→ BMBB.JP|[ #shogi ] 電王戦第3局、豊島将之七段が快勝!プロ棋士がようやく1番返した!
この第3回の結果に関して、色んな人がブログ記事にしている。僕は将棋が全く強くないし詳しいことはよくわからないんだけど、素人の目で見てもコンピュータのレベルはプロ棋士の上位クラスにあるといい。コンピュータが悪手らしい手を指した印象は全くないし。
第3局でコンピュータのYSSが指した△6二玉という、プロ棋士ではあまり指されていなかった手が電王戦後の公式棋戦で何局か指されていた。人間では思いつかない手をコンピュータを通じて発見をして、それが新しい形を産むってのはこれからのトレンドかもしれないね。その意味でも、この電王戦って意味は十分にある。(ま、素人には関係ない話だけど。)
人間にとって不利だという人もいるけど、現在の将棋のルールに沿って行われているわけで、このルール上でこの惨敗になったんだから、しょうがない。森下卓九段が記者会見で言っていたが、盤駒あり(検討する用の盤と駒を使ってもいいこと)のルールだと人間が絶対に勝つと宣言していた。このルールだって、エキビションでぜひ観てみたい。
メディアの取り上げがハンパない
前回の第2回もメディアの取り上げ方がすごかったが、今回もより一層大きかった印象がある。新聞の一般紙も取り上げてたし、ネットメディアもどこも扱っていた。何より電王戦関連の記事がはてブの上位にきていたのには驚いた。
ただ「もう電王戦は飽きた」という声も一部では聞こえた。この1勝4敗という結果で、コンピュータは強いということが証明されたわけだし。同じように次も開催した場合に、同様の盛り上がりになるかは若干気になるとこ。次があるとするならば、やっぱりプロ棋士が威信をかけて勝ちにいかないとファンは冷めちゃうかもしれませんね。
第4回電王戦が開催?
第3回電王戦のエンディングPVが公開されています。これを観れば、どれだけ盛り上がったのかわかると思うし、色んなシーンを盛りこんでた素晴らしいPVに出来てました。
「第3回将棋電王戦」エンディングPV
その終わりに、谷川会長と故米長前会長の映像とともに、第4回開催をほのめかすカットが登場してくる。この見せ方だと、間違いなく開催するんでしょうな。
個人的な推測としては、来年はもう一度、今年と同じようなスタイルでやるんじゃないかと思う。そこで第4回の棋士の予想をしてみると。
- 第1局は若手枠、第2局はネタ枠、第3局が次世代エースというラインナップだったけど、それにこだわると勝てない。中村太地六段、佐藤天彦六段、井上門下のリベンジで稲葉陽七段ぐらいのメンバーでいくべき
- 第4局のベテラン枠は本人も出場希望の加藤一二三九段。
- 第5局の大将枠は佐藤康光九段。
将棋界三体の霊獣、森内俊之竜王名人・羽生善治三冠・渡辺明二冠は、3月4月開催はタイトル戦の関係上、出場は相当難しいはず。ただ再来年の第5回はこの3人のいずれかが登場しないと、ファンが納得しない気もしますが。
どちらにせよ、また来年への楽しみが増えました。