[ #shogi ] 谷川浩司九段、32年守ったA級の座から落ちる

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今期の将棋A級順位戦で谷川浩司九段が、32年守ってきたA級から陥落することが決定しました。谷川浩司九段といえば「光速の寄せ」と言われる名棋士で、日本将棋連盟の現会長。この陥落が決定した日、谷川会長は将棋があったわけではない。(この件は次で解説)将棋界でビックなニュースが各マスコミも報じていたようですね。

32年守ってきたA級順位戦とは?

まず今期72期のA級順位戦の星取表から。

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▲1/10前までの第72期A級順位戦

A級順位戦とは、将棋のプロ棋士がほぼ全員参加して、A級からC級2組まで5つの組に分けられる。その上位者は上の組にあがり、負ければ下がるという仕組み。最高峰のA級で一番勝った人が名人に挑戦できる。一番権威がある「名人」になれるのは、この10人しか資格がない。そしてB級への降級は一番負けた2名に決まる。

今期、谷川九段は調子が上がらず、1/7に行われた対渡辺戦で負けたことで、ほぼ決定的になっていた。1/10に羽生ー久保戦、屋敷ー深浦戦が行われたんだが、屋敷九段が勝って3勝目をあげた。これで谷川九段が残り2局を勝ったとしても、3勝とまりで下位2名に決定したというわけ。つまり屋敷九段が印籠を渡したということだけど、これも勝負の世界だね。

古くは大山康晴永世名人が44期在位されたそうだが、それにつぐ第2位の32期。私が10歳のころからこの激戦のA級にずっとおられたわけだから、どれだけ凄いことか。

余談ですが。羽生三冠は久保九段に勝ち、全勝の7勝目。残り2局のうち、1局を勝てば3年連続の挑戦者となる。

マスコミはこぞってこの話題を報道

1月10日の夜に屋敷ー深浦戦の結果が出て、一斉にマスコミが報道しました。

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ネットだけでも32件、地方新聞など系列の新聞なども含まれているだろうが、それにしても取り上げすぎ。まるで羽生三冠が七冠を取ったときのような感じ。それだけこのA級陥落というのは、名人を取るよりも大きな話題なのだろう。そして、将棋が最近人気になっている証拠が、これなのかもしれない。

B級でのタニー会長の奮起に期待!

谷川九段は日本将棋連盟の現会長。年明けから「上州将棋まつり」に会長職として参加されたり、本当に多忙だと思う。その中、A級で頑張られてること自体が、普通の棋士でできることじゃないだろうね。

前期の成績も悪かったので、今期もある程度覚悟していました。来期はB級1組で頑張りたいと思います。」とコメントされたそうです。永世名人の称号も取られているし、フリークラス(順位戦に参加しない)も考えられるとこだが、そこはさすが勝負師。一番の激戦区と言われるB級1組でぜひ奮起してもらいたい。