将棋配信はニコ生だけ?王位戦のUSTREAM中継から可能性を考えてみる

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2014年7月8日(火)9日(水)に将棋王位戦の第1局が石川県で行われました。

→ [ロックショウギ] 第55期王位戦七番勝負 第1局 ▲羽生善治王位 – △木村一基八段

挑戦者の木村一基八段が、今期負けなしの11連勝している羽生善治王位に土をつけ、幸先のいい1勝をあげました。さて今日は将棋の話は置いといて。。。

将棋の中継といえばニコニコ生放送が定番化していて、そのニコ生も「サブカル・政治・将棋」を三大コンテンツとして力を入れています。

将棋界には7大タイトル戦(竜王戦、名人戦、王位戦、王座戦、棋王戦、王将戦、棋聖戦)があり、その中の6つはニコ生で配信します。唯一今回の王位戦だけはニコ生で配信しません。王位戦の主催は新聞三社連合(北海道新聞・東京新聞・中日新聞・神戸新聞・徳島新聞・西日本新聞)ですが、大人の事情があるのかもしれません。

そこで今回、現地の大盤解説会をUSTREAMで生中継しておりました。累計8000人も超える配信だったけれど、視聴者からは様々な声があったよう。今回の中継で思ったこと、そして将棋中継をニコ生だけではなくUSTREAMで配信する意味があるのかを考えてみました。

7/9王位戦第1局にUSTREAM配信

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王位戦第1局が7月8日(火)9日(水)に石川県で行われ、9日の大盤解説会の様子がUSTREAMで配信されました。

→ Ustream.tv: ユーザー chunichi-media: 第55期王位戦第一局大盤解説 3/3

上記の画像は放送終了時点ですが、同時接続が830で、一番多い時で1100ぐらい伸びていた。累計視聴者数は8600までいってましたね。ニコ生は1日でラクラク10万を超えますが、ニコ生と比較してはいけない。USTREAMの中ではとても視聴者が多い配信のほう。

コメント欄では「将棋盤が小さくて見えない」「音質が悪すぎて、聴きづらい」など、主にニコ生の将棋厨が多く書きこんでた。ニコ生には本体が配信する「運営」が万全の体制で配信するけれど、今回のUSTREAM配信は主催者側(新聞社)が準備し配信しているもの。現地の大盤解説会の中継をやってくれるだけで、ありがたいと思って観てあげないと少しかわいそうかな。

USTREAMで配信する際の注意点

今回の配信で気がついた点がいくつかあるので、まとめてみます。これらの点は、USTREAMで生中継する際に共通していえることなので、ご参考になれば。

番組を作る際、チャンネル名は必ず英語で作りましょう!

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USTREAM配信で特に重要なのが、チャンネルを作るとこに必ず英数で作ることです。今回の配信は「http://www.ustream.tv/channel/第-期王位戦第一局-大盤解説会」となっておりました。

チャンネル名を例えば「55ouisen」にすれば、URLは「http://www.ustream.tv/channel/55ouisen」になります。今回、日本語で作られているので、URLがエンコードしていまってとても長いものになります。しかも悲しいことに、チャンネル名は変更ができません。ここはしっかり頭に入れておきましょう。

ハッシュタグを設定しましょう!

今回の配信のコメント欄からツイートすると上記のようになります。ハッシュタグが設定してないと、何の配信なのかがわからない。今回だと「#shogi」「#ouisen」や日本語ハッシュタグの「#王位戦」も設定できるはず。ハッシュタグは超重要ですよ。

生中継ものは画質よりも音質が重要!そしてコメント欄で状況説明を!

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→ 王位戦中継Blog : 大盤解説会場へ

上記の画像は王位戦中継ブログに上がっていたもの。これを見る限り、カメラを据え置きでお一人で配信している感じ。

画質が悪いのは、現地の回線の問題などもあり、しょうがない部分があります。しかしちょっと残念なのは音質。写真を見る限り、カメラのマイクから音を拾ってをそのまま流してるよう。せめてここはがんばって、会場のPAの音をラインで繋げたいところ。こういう生中継のものは、画質よりも音質です。

そしてコメント欄で配信の状況を一切説明されていませんでした。「音質が悪い」というコメントがあれば、「配信環境が悪くて、音質がよくありません。申し訳ありません。」って書くだけで、許される雰囲気にはなるんですよね。

現地にお越しのお客様のことを考えよう!

最後に気になったのがこれ。現地の大盤解説会で、主催者の方はお客様に生中継をすることを事前に言っているかはわからない。ただ、「次の一手」の正解者の発表の時に、住まいと氏名がダダ漏れで流れていました。

こういう生中継のときに、特に注意しないといけないのは、第三者の顔や声が入ること。今回の正解者発表のときは、音声をOFFにして配信のコメント欄には事情を説明すれば、視聴者は納得するはず。やたらと個人情報のことがうるさい昨今、後々問題にならないように最新の注意をした方が無難です。

USTREAMで将棋中継をする意味はあるのか?

今回の王位戦は、ニコ生で唯一配信しない棋戦です。今回だけに限らず、USTREAMで将棋中継することの意味があるのかを考えてみます。

現地の大盤解説会の中継はファンにはうれしい

現地の大盤解説会の中継って、ニコ生の中継とはやはり違います。お目当ての棋士が解説される場合ってやっぱり観たいのがファン。

「現地の大盤解説会は有料で、USTREAMの無料視聴はいいのか?」と言われるかもしれないけど、現地にいかないと楽しめないこともあるし、多くの人に見てもらうには絶好のチャンスかなと。だって会場には200人しか入らなくても、ネットでは何千の人が見ます。

ニコ生が嫌いってファンもいるはず

こういう人は必ずいます。コメントが流れるのがうざかったり、好き勝手に書く将棋厨の人が嫌だったりと。そういう人のためにも、視聴できるツールを増やすことは有効でしょうね。

現地の大盤解説だからこそ、できる内容があるはず。

ニコ生の将棋中継はほんとよく作りこんであります。いかに凄いかは、この2つの記事をご覧ください。

→ BMBB.JP|[ #shogi ] ニコ生でとても盛り上がった大晦日の電王戦リベンジマッチ

→ BMBB.JP|[ #shogi ] 将棋界とスイーツの甘い関係

ニコ生の配信にUSTREAMの配信が勝てるはずがない。しかし現地の中継だからこそ、できる内容ってあるはず。今回も両対局者が最後少しだけ登場してきたけど、ご本人たちの声を流すことができるのがまず大きい。そして、主催者(新聞社)の意向にそって配信できるので、視聴者プレゼントも色々なものが準備できるはず。主催者もマネタイズを考えることも可能なのでは?


色々と考えると、将棋のUSTREAM配信はとてもアリな気がしました。王位戦は第2局が徳島、第3局は札幌、第4局が福岡で行われますが、それぞれの地域にお安くて腕がある配信者がたくさんいます。こういう全国に通じるビックコンテンツを地方でがんばっている人にチャンスをあげて欲しいな。

主催の新聞三社連合さん、いかがでしょうかね。そして、王位戦以外の6つの棋戦の主催者さんもぜひお考えいただきたい。